意識は、潜在意識と顕在意識の2層構造になっています。 (厳密には3層構造なのですが、便宜上2層構造としてご説明します)
顕在意識とは大脳新皮質による意識です。 それに対し、潜在意識とは自律神経系の働きをコントロールしている意識です。
顕在意識は大脳新皮質の神経細胞によって現在の情報を処理しています。 それにより自意識を自覚することができるのです。
潜在意識は大脳新皮質以外の体内の全細胞によって作られている意識です。 潜在意識は一つ一つの細胞の記憶による過去の情報を元に働いています。
では、この二つの意識が実際にはどのように関連しあって働いているのか、もう少し簡単にご説明します。
コントロールできる意識は、顕在意識のみです。 顕在意識によって「あることをしよう!」とすると、大脳新皮質のA10神経が活性化されます。 それにより、その情報は自律神経系にも伝達されるようになります。
自律神経系は顕在意識ではコントロールすることができない神経系です。 この神経系をコントロールしている意識が潜在意識です。
例えば、「戦うぞ!」と顕在意識が思うと、 その命令を受けて潜在意識は、 心拍数を上げて筋肉中の血流を多くしたり、 手足の発汗を促すなど、身体的な反応を起こしてくれるのです。 これらの身体的な反応は顕在意識ではコントロールする事ができません。 潜在意識のコントロール下にあるのです。
つまり、臓器の働きや筋肉の動き、免疫機能の働きを含め 大脳新皮質以外の体内のすべての働きは 潜在意識によって有機的にコントロールされているのです。
この働きをスポーツの場面で説明すると、「ボールを打とう!」と意思決定し、 顕在意識がボールに集中すると、潜在意識が顕在意識の意思決定を達成する為に、 全身の筋肉を有機的にコントロールしてくれるのです。 その結果実際にボールを打つことができるようになるのです。
一流選手に
- 「今どうやって打ったの?」
- 「あの時はどんな風に動いたの?」
とフォームやグリップのことを聞くと
- 「よく分からない。。」
と答える事がとても多いのです。
実は一流選手ほどパフォーマンス中、自分の体の動きが分からないのです。 その理由は、顕在意識と潜在意識のメカニズムに反する事なく、活用しているからなのです。
フォームやグリップなどの体の動きや感覚は、潜在意識領域でコントロールされる情報です。 つまり顕在意識が潜在意識領域に立ち入らないで潜在意識に任せているわけです。 その為に動きや感覚が分からないのです。 顕在意識が潜在意識領域に立ち入ろうとする事は、潜在意識の働きを阻害することなのです。
このように潜在能力を発揮する為には、顕在意識はそのスポーツの本質に集中するだけでよいのです。 そうすることにより潜在意識は顕在意識に邪魔されることなく、本来の力を発揮するようになるのです。



